☆米ドル
株高連鎖・ボラティリティ低下を背景にリスク選好が高まっており、安全通貨のドルと円が共に売られる展開が予想されることから、今週もドル/円は先週同様に92-94円台で方向感が掴みづらく、レンジ取引となる可能性が高いだろう。先週金曜日に鳩山首相と白川日銀総裁が会談したことで日銀に対する金融緩和圧力が高まるとの見方も浮上しており、円が売られやすい地合いではあるものの、米国の長期金利上昇や早期利上げ観測が一服となっており、ドルも積極的に買い進むべき材料が乏しい状況にある。また、今週月曜日には米中首脳会談が予定されており、「米国が為替操作国認定を見送る代わりに中国は近く人民元を切り上げる」との見方が強まる可能性もある。テクニカル的には、日足一目均衡表では三役絶対買いシグナル点灯中だが、弱気相場の最後の砦ともいうべき週足一目均衡表の雲の上限が位置する94.75円付近をドル/円は突破できておらず、この水準を突破するには大きなエネルギーが必要とみられ、上値の重い展開となる可能性が高いとみる。
☆ユーロ
週末にEU財務相が緊急電話会議を開き、ギリシャ支援の具体的条件(最大300億ユーロ、期間3年、利率5%程度)で合意したことを受けてユーロ買いが活発化し、今週月曜日の東京市場朝方に対ドルは1.3675付近、対円も127.25円付近まで急上昇した。ギリシャは6ヶ月、1年それぞれ6億ユーロ、合計12億ユーロの短期債を今週火曜日に発行することから、ひとまず目先は国債償還や利払いに関する資金繰り不安も緩和されそうだ。ギリシャ支援策の具体的条件で合意したことを背景に、10年物ギリシャ国債の独連邦債に対する上乗せ金利やCDS保証料の大幅低下が予想され、ギリシャの不安を煽りながらユーロを売ってきた投機筋も一段の巻き戻しを余儀なくされるだろう。日米の低金利長期化観測が強まっている上、株高でリスク選好が高まっていることから、安全通貨のドルと円を売る動きも強まるとみる。テクニカル的にも対ドルは1.32台でのダブル・ボトムが完成し、3月の戻り高値となった1.38台を目指す展開が考えられる。【ユーロ円】世界的な景気回復期待や日米の低金利長期化観測を背景に株式市場は堅調な動きとなっており、リスク選好は引き続き旺盛な状況にあろう。また、ギリシャ問題に一区切りが付き、過度のユーロ先安観も後退していることから、ドルと円を売ってユーロを買い戻す動きが強まるとみる。新年度に入って一週間が経過し、本邦生保や年金など機関投資家も本格的に外債投資を拡大してくる時期でもあろう。対円は前回高値の127.90円付近を突破した場合は、上昇トレンド再開のシグナルとなり、年初来高値の134.35円付近を目指す強気局面入りとなる可能性があるだろう。
☆ポンド
先週は英国の世論調査結果で野党・保守党が支持率で与党・労働党を引き離し、「ハング・パーラメント」の懸念が後退したほか、ハリファックス住宅価格や鉱工業生産指数、生産者物価指数が予想を大幅に上回るなど、英経済指標が全般的に堅調となったこともあり、対ドルは1.53台後半、対円も144円台前半へと上昇した。なお、水・木曜日に開催された英中銀金融政策委員会では政策金利を0.50%、資産買い入れ規模を2000億ポンドに据え置くことを決定したものの、予想通りとなり影響はなかった。ギリシャ問題が一段落し欧州通貨を敬遠する動きが一服するとみられるほか、英国の景気に明るさが出ていることから、今週もポンドは堅調な動きとなりそうだ。株高・商品高を背景にドルと円が売られやすくなる一方、産油国通貨でもあるポンドが選好される可能性もあるだろう。
☆豪ドル
先週は火曜日に開催された豪準備銀行理事会で0.25%の追加利上げを決定し、利上げサイクル継続を示唆したことから豪ドルは堅調な動きとなり、対円は87円台中盤まで年初来高値を更新。また、金曜日にはNY金先物が昨年12月8日以来となる1170ドル台を一時つけたことも追い風となり、対ドルは0.93台中盤まで年初来高値を更新した。投資家の恐怖心理度合いを示すといわれているVIX指数は16台割れ寸前まで低下し2007年以来の安値圏となるなどリスク選好ムードが広がる中、株高・商品高・低ボラティリティを背景とした高金利通貨志向・資源国通貨人気を背景に、今週も上値を拡大する動きが続くとみる。また、米長期金利の上昇が一服しているほか、日銀の追加金融緩和観測が高まっていることから、キャリートレード志向も一段と高まるだろう。
☆NZドル
先週後半は対豪ドルでNZドルの買い戻しが活発化したほか、NZ乳業大手フォンテラが実施した入札で全脂粉乳の平均価格が急上昇したことも好材料となり、対ドルは0.71台後半へと上昇。一時65円台前半に下落していた対円も66円台後半まで回復した。ギリシャ不安の後退や株高・ボラティリティ低下を背景にリスク選好・キャリートレード意欲が高まっており、当面NZドルは上値を拡大する展開が続きそうだ。今週火曜日に発表される小売売上高指数や来週発表予定の消費者物価指数といったNZ経済指標を受けて、NZ準備銀行の利上げ期待が高まるかどうかにも注目したい。また、先週は対豪ドルでNZドルは一時10年ぶりの安値をつけるなど売られ過ぎ感があり、当面は買い戻しが優勢とみる。
☆カナダドル
先週は原油高やカナダ雇用統計の上振れ期待を背景に、対ドルではパリティ(1米ドル=1カナダドル)を突破するなどカナダドル買いが強まったことから、ドル/カナダドルは一時0.9985付近と2008年7月以来の安値を記録。対円は94.25円付近と2008年10月以来の高値をつけた。しかし、注目されたカナダ雇用統計は雇用ネット変化率、失業率ともに予想に届かない結果に終わりカナダドル売りが強まったことから、ドル/カナダドルは一時1.0080付近へと反発し、対円は92.65円付近へと急反落した。ただし、NYダウが一時節目の1万1000ドル台をつけるなど株高連鎖期待は続いており、高リスク通貨に対する需要も引き続き旺盛な状況にあろう。カナダ雇用統計は一部の期待ほどは強くなかったものの、これで3ヶ月連続の雇用増加となったことに変わりなく、カナダの景気回復期待やカナダ中銀の7月利上げ期待をサポートするだろう。また、今週木曜日には中国の経済指標発表が集中するため、原油や銅など商品市場の動きにも注目したい。
☆南アフリカランド
先週は株高・商品高・リスク選好の回復を背景に、対ドルで南ア・ランドはリーマン・ショック以来の高値をつけたものの、対円はドル/円の上昇一服で12.70円付近まで押し戻された。今週も基調としては株高連鎖・高リスク資産志向が続く可能性があるほか、ギリシャ支援の詳細合意を受けて心理的な圧迫要因も後退することから、対円は底堅い動きが予想される。また、先週は南ア準備銀行のチーフエコノミストが「必要となった場合は為替市場に介入する」と述べたことが警戒感を呼んだものの、マーカス南ア準備銀行総裁は市場介入や為替操作には消極的とみられており、現段階で為替介入を検討するとは考えにくいとみる。
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フォーランドフォレックス